2022年8月の不動産ニュース

日々、移り変わる不動産市場。
私たちにとって“情報”を理解し、
精査することは何よりの財産です。
ここでは不動産業界のニュースをお届けします。
※記載されている内容は、全て掲載時点のものです。
最新の内容とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2022年8月

  • 2022.08.30

    地震に備える確認情報はハザードM最多

    ―アットH調べ、築年数や避難場所なども


    アットホームは、全国の加盟店に聞いた「地震に備えるためにチェックすべき物件情報」のランキングを発表した。最多は「ハザードマップ(災害予測範囲、避難所など)」で、86・0%が選択した。不動産会社からは、「住む建物の立地(川が近い、斜面が近いなど)と避難所は確認しておいた方が良い」「勤務先や子供の登下校のルートも確認し、いざというときに避難できる場所が近くにあるかも確認してみては」「ハザードマップは頻繁に更新されるため、最新の情報か確認した方が良い」などのコメントが挙がった。

    同調査は、賃貸の居住用物件を探す顧客を担当したことがある全国のアットホーム加盟店に7月に実施。有効回答数は1016店。「ハザードマップ」に次いで多かったのは、「築年数」が54・9%、「建物構造(RC造、SRC造、木造など)」が54・8%、「耐震基準」が37・3%、「耐震構造・免震構造・制振構造」が28・9%、「地盤情報」が27・8%、「過去の被災履歴」が27・2%、「避難設備(非常階段、避難誘導灯など)」が16・8%、「消火設備」が13・5%、「警報設備」が9・8%となった。

    そのほか、不動産会社からのアドバイスとしては、「停電時にエレベーターが動かなくなることを想定し、階段で無理なく上り下りできる階数をすすめる」「地震家財保険も重要だが、まずは耐震対策(家具類の突っ張り棒や液晶テレビの固定など)が大事と伝えている」などがあった。

    「ここ3年で防災を意識して住まい探しをしているお客様が増えたと思うか」では、42・2%が「はい」と回答した。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.29

    住宅の販売価格、41期連続で上昇傾向

    ―土地総研調査、ビル賃貸は空室悪化進む


    土地総合研究所は、7月1日時点の「不動産業業況等調査」の結果をまとめた。住宅・宅地分譲業の経営状況を示す指数は、前回調査(4月1日)比で11・8㌽悪化し、+5・6となった。不動産流通業(住宅地)は1・8㌽悪化の+3・1。ビル賃貸業は0・6㌽悪化の+7・1。

    住宅・宅地分譲業の指数の項目別は、用地取得件数は0・0(前回+9・1)。モデルルーム来場者数は△29・2(△4・5)、成約件数は△11・1(+12・8)、在庫戸数は+18・5(+35・0)だった。販売価格の動向は+55・6(+65・2)で、12年7月調査以降、41期連続で上昇傾向にあるとの見方が多い状況が続いている。

    不動産流通業(住宅地)の既存マンション等の各指数は、売却依頼件数△26・1(△12・5)、購入依頼件数△29・8(△2・0)、成約件数△31・9(△25・0)、取引価格+23・4(+23・5)。売却依頼は35期、購入依頼は17期、成約は33期、それぞれ連続して減少傾向との見方が多い状況が続いている。取引価格は6期連続で上昇傾向にあるとの見方が多かった。

    ビル賃貸業は、空室の状況が△15・6(△2・4)、成約賃料動向が△4・8(△15・4)。8期連続で成約賃料が低下傾向にあるとの見方が多い状況が続いている。首都圏のビル賃貸業者からは、「大型床の動きが鈍い」「小規模オフィスの需要あり」といったコメントが寄せられた。

    3カ月後の経営状況見通しは、住宅・宅地分譲業△7・4(△2・2)、不動産流通業(住宅地)△5・1(△7・0)、ビル賃貸業△2・4(△11・5)。対象121社中、98社が回答した。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.29

    23区7月マンション、契約率60・3%に

    ―本社、戸数増加も価格・在庫数など減少


    不動産経済研究所がまとめた東京23区の7月の新築分譲マンション供給戸数は前年同月比101戸増の1033戸と1割増えた。前年実績を上回るのは3カ月ぶり。「晴海フラッグ」の期分け販売(合計343戸)が始まり総数を底上げした。契約率は8・6㌽減の60・3%と3カ月連続で60%台に。戸当たり平均価格は13・2%減の7217万円と3カ月ぶりに下がった。在庫数は2409戸と前月比で93戸増えたが、前年7月との比較では433戸減と在庫消化が進んでいる実態が浮かんだ。

    戸数と面積が大きい割に単価を低く抑えた晴海フラッグの販売が再び始まったことなどが響き、平均価格が下降。㎡単価も前年7月よりも16万円低い112・5万円と3カ月ぶりに下がった。戸当たりの平均面積は前年同月の64・54㎡に対し64・15㎡と横ばいだが、都内では資材高で面積を圧縮する動きもある。

    期中に売られた合計59物件のうち初回売り出し物件は7件(合計170戸)と、昨年7月の12件(413戸)に比べ件数・戸数ともに減った。一方、期分け販売分は52件(863戸)と昨年に比べ物件数は2件少ないが戸数は344戸多い。物件別の販売戸数は晴海フラッグと「パークタワー勝どきサウス」(2期2次67戸)、「クレアホームズフラン東京三ノ輪」(一括74戸)以外は50戸を下回る。各社が販売数を絞る傾向が浮かんだ。区別の供給戸数は最多の中央(412戸)以下、台東(110戸)、江戸川(107戸)、港(76戸)、豊島(60戸)などの順。平均価格が最も高いのは品川区で1億7914万円。最も低いのは足立区で3098万円だった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.26

    中古M売価、東京都は約2年ぶりに下落

    東京カンテイがまとめた7月の東京都の中古マンション売り出し希望価格(70㎡換算)は、前月比0・1%下落の6302万円となり、25カ月ぶりに下落した。前年同月比では8・7%の上昇で、前月まで14カ月続いていた2ケタ上昇から上昇幅が縮小した。

    首都圏平均は周辺3県が全体を牽引し、0・5%上昇(前年同月比12・1%上昇)の4730万円と、小幅ながら15カ月連続で上昇。前年比では2ケタ上昇が15カ月続いている。東京23区は0・1%上昇(7・3%上昇)の6846万円と、僅かながら25カ月連続で上昇したが、4月を境に上昇度合いは鈍化しつつある。東京都心6区は0・2%上昇(7・0%上昇)の9811万円と、10カ月連続で上昇した。近畿圏は大阪エリアが押し上げ、1・1%上昇(7・7%上昇)の2821万円と6カ月連続で上昇した。大阪市中心6区は平均築年数が若返り、3・9%上昇(10・3%上昇)の5196万円と、大幅に上昇した。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.25

    地価LOOK、商業地の回復が鮮明に

    ―国交省、好調な住宅地は初の全地区上昇


    国土交通省は24日、22年第2四半期(22年4月1日~7月1日)の地価の先行動向「地価LOOKレポート」を公表した。商業地の上昇地区が、前期から11地区増加し35地区となり、横ばい・下落地区も減少。経済正常化への期待感が投資需要を高め、住宅地に比べ遅れていた商業地の回復が鮮明になってきた。

    全80地区のうち、上昇・横ばい・下落の変動率区分は、19地区が上方に移行し、61地区が不変だった。上昇地区は58地区(前回46)に増加、横ばいは17地区(21)へ減少、下落も5地区(13)に減少した。用途別では住宅地は上昇23地区(22)、横ばいゼロ(1)となり全住宅地が上昇に。住宅地の全地区上昇は、地価LOOKの開始(07年第4四半期~)以来初めて。マンション市場の堅調さが際立ち、引き続き全国的に上昇を維持した。福岡市の「大濠」は住宅地で唯一、最も高い「3~6%上昇」を前期から維持した。

    商業地は上昇35地区(24)、横ばい17地区(20)、下落5地区(13)。大都市圏の回復が鮮明になった。今回、変動率区分が上昇に移行した商業地は12地区ある。このうち、横ばいから「0~3%上昇」に移行した11地区には、東京の「八重洲」「虎ノ門」、大阪の「西梅田」「新大阪」などオフィス街が目立つ。

    国交省は今回上昇に移行したオフィス街について、「オフィスの賃貸市況が弱いところも多いが、不動産投資に対する投資家の意欲が堅調で、取引利回りが低下したことを受けて価格が上昇に転じている」(不動産・建設経済局地価調査課)と分析する。一方で、地方圏にはコロナの影響による下落地区が残る。地方圏の商業地は上昇10地区(9)、横ばい4地区(4)、下落4地区(5)だった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.25

    住宅価格や資材の高騰で売買動向に懸念

    ―アットホーム、地場仲介の景況感を調査


    アットホームは全国14エリアにおける地場の不動産仲介業の景況感調査(4~6月期)をまとめた。売買仲介の業況DIは全14エリア中9エリアで前期(1~3月)を上回ったが、前年同期比では10エリアでマイナスになるなど、直近1年間は全般的に回復感は薄かった。住宅価格や資材の高騰が影響し、インフレや金利上昇を懸念する声も挙がった。

    調査は6月に実施。全国13都道府県14エリアの加盟店に対し、居住用不動産の流通市場の景気動向について聞いた。有効回答数は2064店。売買仲介の業況DIは首都圏が前期比1・4㌽上昇の45・3、近畿圏が2・9㌽上昇の42・4と、2期ぶりに上昇した。直近1年間は首都圏で45、近畿圏で42をはさんで小幅な上下を繰り返し、来期(7~9月)の見通しDIも首都圏で45・5(0・2㌽上昇)、近畿圏で42・6(0・2㌽上昇)と横ばいが見込まれる。不動産会社からは「資材高騰で買主の予算が厳しくなった」「さまざまな世界情勢による原油高と物価高、長期金利の上昇により買い控えが増えそう」などの声が挙がった。

    賃貸仲介の業況DIは行動制限の緩和にともない全般的に回復傾向となり、特に首都圏は46・3(2・5㌽上昇)と3期連続で上昇し、前年同期比も4・1㌽のプラスで順調だった。首都圏の賃貸の業況DIが売買を上回るのは20年第1四半期以来9期ぶり。近畿圏は41・6(2・4㌽上昇)と2期ぶりに上昇した。エリア別にみると、全14エリア中10エリアで前期比プラス。首都圏は全エリアで上昇し、埼玉県では調査開始以来最高値の50・7を記録したほか、千葉県(49・8)、東京都下(48・6)も50に迫る水準だった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.23

    7月のマンション市場動向・首都圏、発売戸数は16%増の2268戸

    ―本社調べ、価格は2%下落の6379万


    不動産経済研究所は22日、7月の首都圏(1都3県)のマンション市場動向を発表した。供給戸数は前年同月比16・2%増の2268戸で、3カ月ぶりの増加となった。初月契約率は60・7%で、7・6㌽ダウンした。

    7月に供給された140物件・2268戸は前年同月(143物件・1952戸)と比べると、物件数では3件減少している。そのうち100戸以上発売した物件は2物件となっている(前年同月も2物件)。初回売り出し物件(単発物件を含む)は17物件・499戸、シェア22・0%で、前年同月の26物件・904戸(シェア46・3%)を物件数では9物件、戸数では405戸下回っている。供給をエリア別にみると、都下と千葉県が2割減と落ち込んだ一方、埼玉県(106・0%増)が倍増、都区部(10・8%増)と神奈川県(19・2%増)は2ケタ増と伸ばした。都区部のシェアは45・5%で、前年同月の47・7%から2・2㌽のダウンとなった。

    新規供給に対する契約戸数は1376戸で、初月契約率は60・7%。前年同月の68・3%と比べ7・6㌽ダウンしている。エリア別では、都下が唯一70%台に乗せた一方で埼玉県は50%台、千葉県は30%台と低調だった。

    戸当たり平均価格は前年同月比1・8%下落の6379万円、㎡単価は2・2%下落の96・2万円で、いずれも下落した。平均価格は3カ月ぶり、単価は2カ月ぶりのダウン。エリア別では都区部が平均価格、単価ともに下落。専有面積は66・32㎡で、前年同月に比べて0・4%拡大した。

    即日完売物件は4物件・13戸(シェア0・6%)。フラット35登録物件戸数は2098戸(92・5%)だった。7月末時点の在庫は5126戸で、前月末の5072戸に比べ54戸増加している。

    8月の供給戸数は1500戸前後となる見込み。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.23

    7月のマンション市場動向・近畿圏、発売戸数は3割減の1374戸

    ―価格4984万円で7月の91年以来高値


    近畿圏(2府4県)の7月のマンション供給戸数は前年同月比29・5%減の1374戸となり、2カ月連続で前年実績を下回った。

    供給戸数をエリア別にみると、大阪市部が32・6%減の401戸、大阪府下が42・6%増の422戸、神戸市部が76・1%減の59戸、兵庫県下が42・9%減の144戸、京都市部が33・8%増の182戸、京都府下が80・1%減の65戸、奈良県が94・7%減の2戸、滋賀県が123・7%増の85戸、和歌山県が36・4%減の14戸。

    初月契約率は前年同月比7・6㌽ダウンの65・8%で、3カ月ぶりに好調ラインの70%を下回った。

    平均価格は11・7%上昇の4984万円。㎡単価は10・0%上昇の77・0万円。平均価格は2カ月ぶりのアップ、単価は3カ月連続のアップで、ともに2ケタ上昇。平均価格は、7月としては1991年の6793万円以来の高値となった。

    7月末時点の販売在庫は3595戸で、前月末比12戸の増加、前年同月末比では39戸の減少。

    8月の供給は1000戸程度となる見通し。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.22

    東急ら、駒沢大学駅の改装で一部開業

    ―地下区間5駅のリニューアルの第1弾


    東急と東急電鉄は、田園都市線の地下区間5駅(池尻大橋駅から用賀駅まで)のリニューアルプロジェクト「グリーンアンダーグラウンド」第1弾となる駒沢大学駅で、東京・世田谷区の「(仮称)駒沢大学駅東口ビル」を31日に開業する。同駅では西口に駅ビル2棟の建築も進めており、24年夏に全体の竣工を予定。駅を1本の木に見立てて、3棟の駅ビルは木の葉をイメージしたデザインとし、近くの都立駒沢オリンピック公園を暮らしに取り入れたシンボル空間を創る。

    「東口ビル」(世田谷区上馬3―18―12)は、東急田園都市線・駒沢大学駅の地下改札から直結。店舗面積91・6坪、138席の「ドトールコーヒーショップ駒沢大学駅前店」として31日に開業する。駅のコンセプトに合わせて公園をテーマとした店舗づくりを行う。テラスベンチには、東急池上線・池上駅の木の古材を活用するほか、リサイクル材由来の床材を使用して、環境配慮を取り入れた。また、地下の駅構内では7月9日に新しいトイレの供用を先行開始。スペースを広げて洗面台や個室数を増やし、廃材の敷石を活用してCO2を削減した。同駅のリニューアルは「アンダーザパーク」がコンセプト。3棟の駅ビルの建設で店舗を増やし、駅の東西両側にエレベーターなどを設置して利便性を高めながら、憩いの場となる駒沢オリンピック公園と共存するライフスタイルを提案する。

    なお、建設中の「(仮称)駒沢大学駅西口ビル(2)」は4階建ての木造建築で、柱と梁に耐火部材を用い、2方向ラーメン構造で賃貸可能面積を広く取るなど先進的な技術を導入。国土交通省の「22年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択された。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.19

    東急、自由が丘の商業を複合施設に改装

    東急は、東京・目黒区自由が丘に複合施設「トレインチ自由が丘」を11月に開業する。大井町線車庫跡地に開業した商業施設を、1階に商業8店舗、2階にまちに開かれたラウンジなどを備えた複合施設にリニューアルする。自由が丘の生活者の日常と来訪者の楽しみが交わる自由な時間を提案していく。

    同施設(目黒区自由が丘2―13―1ほか)は、東急東横線・自由が丘駅の南口から徒歩2分の立地。S造2階建て、延床面積1048・94㎡。企画・設計はUDS、ランドスケープはそら植物園㈱、施工は東急リニューアル。1階にはベーカリーやカフェ、居酒屋、デリなど多彩な8店舗(新規開店4店舗)がオープンする。2階にUDSが企画・設計・運営を担うオフィスやレンタルスタジオ、ラウンジなどが揃う「(tefu)Jiyugaoka」を設置。個室ブース(9室、月額1室8万円から)、固定デスク(14席、月額1席6万円から)のオフィスやカフェで、開放的な居心地の良い空間を創出する。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.18

    国内不動産投資額38%増、反動増で拡大

    ―CBRE、オフィス投資額が192%増


    国内における22年第2四半期(2Q、4~6月)の事業用不動産投資額が前年同期比38%増の7190億円と大きく増えたことがCBREの調査で分かった。オフィスへの投資額が前年同期比192%増と3倍近く増え、総額を押し上げた。今年上期の累計投資額は1・3兆円と前年の上期を1割下回ったものの、オフィスへの投資額は2割以上拡大した。

    調査対象は10億円以上かつ土地取引・JリートのIPO時取得物件を除く不動産。一昨年の2Qに海外投資家らによる500億円超の大型取引が複数あり、その反動減で21年2Qは投資総額が37%減の5120億円と減った。今年はオフィスを中心に再び資金流入が活発になり、反動増で投資額が膨らんだ。投資主体別の投資額はJリートを除く国内投資家が186%増の4190億円、海外投資家が37%増の2230億円と拡大。一方でJリートの投資額は64%減の760億円と、05年の調査開始以来、3番目に低い金額だった。

    オフィス投資は東京都心や湾岸部、横浜などで活発。期中の最高額取引は「日本通運本社ビル」(732億円)だった。Jリートを除く国内投資家の投資額は前年2Qの6倍以上に拡大した。同社はオフィスの取引利回りを「コロナ禍以前と同等かそれ以下だった」と推測する。Jリートの公募増資は2件(前年同期4件)、調達額は148億円(528億円)と減った。

    同社の聞き取り調査では、7割の投資家が来年の夏も現状のような低金利環境が続いている可能性が高いと回答した。ただ海外では金利上昇で慎重な姿勢に変わった投資家も多く、彼らが売りを増やせば取引額が大きく目減りすると同社は分析している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.18

    中古戸建の売価、23区は3カ月連続上昇

    東京カンテイがまとめた7月の中古木造一戸建て住宅の売り出し価格は、首都圏の主要都市では東京23区、都下、横浜市、相模原市で上昇し、他の都市で下落した。23区は前月比1・2%上昇(前年同月比10・2%上昇)の9970万円で、3カ月連続の上昇となった。

    首都圏の平均は1・5%下落(前年同月比7・0%上昇)の3609万円となり、2カ月連続での下落。前月と同様に築古化が進んだ影響が出た。同社は「築年の浅い物件を売り出す動きがみられなくなっている」と指摘する。東京都が5・2%上昇(12・1%上昇)の6037万円、神奈川県が5・1%下落(7・8%上昇)の3848万円、千葉県が5・2%下落(6・7%上昇)の2515万円、埼玉県が0・1%上昇(6・7%上昇)の2750万円だった。23区以外の主要都市では、都下が1・4%上昇(7・4%上昇)の4030万円、横浜市が3・7%上昇(14・8%上昇)の4812万円など。近畿圏は2・9%上昇(6・6%上昇)の2765万円で、3カ月連続で上昇した。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.17

    CBRE、2Qの不動産投資額は7%減

    ―米の住宅投資は活況、通年は8%減予想


    CBREは欧米とアジア太平洋地域における第2四半期(2Q、4~6月)の事業用不動産投資実績を集計した。総投資額は前年同期比7%減の2760億ドルと縮小。「ウクライナ危機や資源調達費の上昇、景気の先行き不透明感などが投資活動を鈍らせた」(同社)ことから、米州(北米・南米)を除く欧州やアジアなどで投資額が軒並み減った。米州の投資額は8%増の1720億ドルで、安定した賃料収入が期待できる住宅への投資が30%増と大きく拡大した。

    米州に多くの投資マネーが流れ込んだ一方、欧州の投資実績は21%減(現地通貨ベースで11%減)の760億ドル、アジア太平洋(APAC)は29%減(同22%減)の290億ドルといずれも低調だった。ただ個人消費や旅行需要などが回復に向かい、商業施設への投資は調査した全地域で盛り上がった。具体的には米州で34%、欧州で18%、APACで43%、それぞれ投資額が前年実績を上回った。

    2Qの総投資額2760億ドルのうち、マルチファミリー(複数世帯)住宅が14%増の930億ドルと3割以上を占めている。オフィスは13%減の630億ドル、物流・産業施設は18%減の520億ドルと投資資金が引いた。同社の集計ではコロナの感染が広がり始めた20年3月以降、オフィスの投資割合は8㌽下がったのに対し、マルチファミリーは9㌽上昇した。

    APACのオフィス投資額は豪州や韓国、シンガポールなどがけん引し、17%増の160億ドルに。ただ複数の国で金利が上がり始めており、オフィスを含む不動産投資額は今後減ると同社は読む。世界における通年の投資額は前年比で8%減ると予想している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.16

    東急G、見守りセキュリティを提供開始

    ―10月に首都圏のUR賃貸で高齢者へ展開


    東急グループの東急セキュリティは、設置工事や通信回線が不要で、安否確認や緊急通報に加えて侵入者検知を1台の端末でできる見守りセキュリティサービス「SAFE-1(セーフワン)」を9月から提供する。全国の空き家セキュリティや高齢者の見守りなど安全な暮らしに向けたサービスに取り組み、1年で1000台の販売を目標とする。また、独立行政法人都市再生機構(UR)と高齢者向け見守りサービス事業者として連携。10月1日からUR賃貸住宅の居住者に向けて見守りサービスの提供を開始する。

    セーフワンは、文庫本より若干小さいコンパクトなサイズで卓上や壁面に工事不要で設置でき、電源のほか単三電池4本でも駆動するため、電源のない空き家や狭い居室でも置くだけで使用できる。SIM回線や人感センサーを内蔵し、異常を検知した際の自動通報機能があるため、空き家や見守りに利用でき、安否確認・緊急通報・侵入者検知を1台の端末で完結する。

    主なサービス内容は、東急線沿線地域を対象に、センサーが反応した自動通報で警備員が現地に駆けつける「機械警備プラン」(月額料金3278円)の提供。首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県)では、電話の要請で警備員が現地に駆けつける「セルフモニタリングプラン+要請駆けつけ」(同2013円)、全国で「セルフモニタリングプラン」(同1078円)を提供する。

    UR賃貸住宅では、高齢者の見守りサービスとして、首都圏エリアで提供する(月額1078円)。年間で400台の販売が目標。追加契約で、電話による警備員駆けつけサービスも利用可能としている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.15

    東日本レインズ、7月の不動産流通市場

    ─中古マンションの成約は7カ月ぶり増加


    東日本不動産流通機構は10日、7月の首都圏不動産流通市場動向を発表した。中古マンションの成約件数は前年同月比3・4%増の3104件で、7カ月ぶりに前年を上回った。成約価格は11・1%増の4348万円と2ケタ上昇し、26カ月連続で前年を上回った。成約㎡単価は12・9%増の68・51万円で27カ月連続の上昇。

    地域別の成約件数は横浜・川崎市と埼玉県以外の各地域が前年同月比で増加し、千葉県と神奈川県他は7カ月ぶりに前年を上回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇が続いており、東京都区部は27カ月連続、横浜・川崎市と埼玉県は26カ月連続、千葉県は24カ月連続、神奈川県他は20カ月連続などとなっている。

    中古戸建て住宅の成約件数は前年同月比5・8%減の1176件で、7カ月連続のマイナス。成約価格は8・5%増の3791万円で、21カ月連続で前年を上回った。土地面積は1・2%拡大の140・17㎡、建物面積は1・0%縮小の103・42㎡。地域別の成約件数は、横浜・川崎市と千葉県以外の各地域が前年比で減少が続き、東京都区部と多摩、埼玉県は7カ月連続で前年同月を下回った。成約価格はすべての地域が前年比で上昇が続いており、千葉県は17カ月連続、多摩は14カ月連続、神奈川県他は13カ月連続、東京都区部は7カ月月連続で前年を上回った。

    中古マンションの新規登録件数は前月比3・6%増加の1万4982件。在庫件数は前年同月比11・4%増の3万8062件と2ケタ増となり、6カ月連続で前年を上回った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.15

    三幸・三鬼、都心でオフィス需要減続く

    ―募集賃料は約4年ぶり2・7万円台に


    三幸エステートと三鬼商事は10日、全国主要都市における7月末時点のオフィス需給動向を公表した。三幸の集計では、東京都心5区の大規模ビルの空室率は前月比0・2㌽増の4・67%と5カ月連続で上昇。坪当たりの募集賃料は231円減の2万7903円に。賃料が2万7000円台に落ちるのは18年4月以来、約4年ぶりだという。一方、三鬼商事の調査結果では都心の空室率は0・02㌽減の6・37%と微減に。平均賃料は0・05%減の2万262円と24カ月連続で下がった。

    三幸の調査では空室率の先行指標となる潜在空室率は0・05㌽増の7・72%と2カ月続けて上がった。約1年にわたって7%台が続いている。企業らが拠点戦略を再考する流れのなかで借り手が優勢になる傾向が強い。不人気のビルなどにフリーレント期間を設定したり賃貸借条件を緩和したりする動きがある。エリア別では渋谷区の潜在空室率が前月から3・36㌽下がったのに対し、中央区は2・89㌽上がるなど対照的な動きだ。同社の今関豊和・チーフアナリストは中央区の需要が落ちている理由について「交通利便性に課題があるビルが多いほか、臨海部で東京五輪開催に伴う一時需要が解消されたことも大きい」と説明している。

    三鬼商事の調査では、ビルの新旧別の空室率は新築が1・06㌽増の38・72%、既存が0・1㌽減の6・15%と差が開いた。既存ビルには増床・拡張などを目的とする大区画の成約があった。7月は4棟のビルが空きを残して竣工し、新築の空室率が跳ね上がった。区別の空室率は港区が0・04㌽増の8・17%と最高値で、渋谷区は0・48㌽減の4・5%と最も低かった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.09

    投資用マンション市場動向・本社調べ、首都圏上期の供給戸数3%増

    ―21年は6028戸、首位はFJネクスト


    不動産経済研究所は8日、22年上期(1~6月)と21年1年間の「首都圏投資用マンション市場動向」を発表した。今年上期に供給された投資用マンションは86物件・3768戸で、前年同期比で物件数は13・2%の増加、戸数は3・2%増加した。1戸当たりの平均価格は3・1%上昇の3221万円、㎡単価は2・1%上昇の120・7万円といずれもアップ。

    首都圏の22年上期の供給エリア数は全29エリアで、前年同期から増減はなかった。供給戸数のトップは大田区の449戸で、以下は江東区439戸、豊島区311戸、横浜市南区296戸、墨田区239戸と続いている。上位5エリアの合計は1734戸で、シェアは前年同期比5・2㌽アップの46・0%。売主・事業主別では、シノケンハーモニー794戸、FJネクスト420戸、青山メインランド349戸、NST347戸、インヴァランス265戸と続いており、上位5社のシェアは57・7%(前年同期56・5%)。

    21年に発売された投資用マンションは130物件・6028戸で、前年に比べ物件数は7・1%減、戸数は3・7%減となり、いずれも減少した。戸当たり平均価格は3132万円で前年比1・4%の下落、㎡単価は116・9万円で2・7%下落している。平均価格は9年ぶり、単価は4年ぶりの下落。供給エリア数は全32エリアで、前年比3エリアの減少。江東区が698戸で2年連続のトップとなり、以下は墨田区430戸、横浜市南区380戸、川崎市中原区376戸、品川区297戸の順。上位5エリアの合計は2181戸で、シェアは1・0㌽ダウンの36・2%。

    売主・事業主別の供給トップは1067戸を供給したFJネクストで、3年連続の首位。以下、青山メインランド690戸、日本ワークス546戸、TFDコーポレーション487戸、NST467戸と続き、上位5社のシェアは前年比1・5㌽アップの54・0%だった。

    首都圏の投資用マンション市場は、超低金利などを背景に90年代後半から00年代半ばにかけて供給戸数を伸ばし、07年には9210戸と初めて9000戸を突破。しかし、地価高騰やリーマンショックの影響などにより08年に7006戸と急減すると、10年には4583戸にまで落ち込んだ。11年以降は5000戸台から7000戸台の供給で推移しており、直近3年間は6000戸前後の供給が続いている。

    今後の首都圏の投資用マンション市場は、依然として都心エリアの用地取得競争が激しい状態が続いていることから、城東や城北エリア、横浜市、川崎市など神奈川県のシェアが高いまま推移する見込み。

    調査結果の詳細は、不動産経済研究所が今月下旬刊行予定の資料集『投資用マンション市場動向2022年版』に記載する。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.09

    東急不、北海道松前町で風力発電拡大へ

    ―陸上は倍増、洋上も見据え漁協と協定


    東急不動産は風力発電事業を拡大する。陸上大型風力発電所を稼働させている北海道松前町では、既存風車の発電能力を上回る規模の新設に向け、必要な調査に着手。さらに国の公募事業になるが、松前沖は洋上風力発電の候補地の一つにもなっており、同社は将来の参画も見据え、同町や地元の漁業協同組合と、洋上風力と漁業の協調に向けた協定をこのほど結んだ。

    松前町は風力発電の適地で、同社が現在稼働させている大型風車は12基。ブレード(羽根部分)を含めた全高は148mと、19年4月の開業当時は国内最大級の規模だった。電力供給量を安定させる蓄電池も備える。定格容量は40・8MW(連系出力36MW)、総事業費は200億円程度。さらに12基・約50MWの増設を検討しており、今年2月から環境影響評価(アセス)の調査を始めている。ただ、一連の手続きには時間を要するため、着工までには数年かかる模様。

    地域との共生にも力を入れているのも特徴。18年の胆振東部地震の影響で北海道全域で長時間の停電(ブラックアウト)が発生したことを踏まえ、災害時には風力発電所の電力を同町に送る「地域マイクログリッド」を本年度中に構築する計画。さらに、洋上風力発電には漁業権の整理や漁業振興策など地元漁業の理解が不可欠だが、「漁業協同組合では殆ど了解を得ている」(石川英雄町長)という。同町は、地域の電力供給が安定すれば、将来的にはデータセンターや水素工場の誘致などにも期待する。風力発電は長期的事業にはなるが、東急不動産はリゾート開発や土地区画整理事業のノウハウや企業文化を生かし、地域と深く関わりながら腰を据えて事業に取り組んでいく考えだ。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.05

    都心のオフィス空室率が5%台目前に

    ―ビル総研、渋谷・中央両区で需要に明暗


    オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)は3日、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)における7月末時点のオフィスビルの需給動向を公表した。空室率は前月比0・12㌽増の4・95%と5%台が目前だ。空室率の先行指標となる潜在空室率も0・06㌽増の7・78%と7%台後半の高位が続く。空室率は中央区が上昇、渋谷区は下降の傾向が鮮明で「両区の相反する動きに相殺される形で都心の潜在空室率は小幅な動きにとどまっている」(今関氏)という。

    都心の空室率は昨年9月に空室率が6年ぶりに4%台に乗り、11カ月間緩やかに上昇を続けている。都心では月内に「東京ミッドタウン八重洲」(東京・港区)が竣工し、その後も来年にかけて複数の大型ビルが完成する。こうした新たなビルへの移転に伴う二次空室の発生が懸念される。今関氏は「(この1年横ばいに近かった)潜在空室率が上昇しそうだ」と展望する。区別の空室率は中央区が0・29㌽増の5・64%、渋谷区が0・29㌽減の3・77%と需給カーブが好対照になっている。

    同社が5月に公表した都心5区における向こう3年間のオフィス需給予測によると、空室率は年間13万坪の大量供給が見込まれる23年第1四半期(1Q)に5・3%で天井を打つ。その後は需要が供給を上回り始め、24年2Qに4・2%、25年2Qに3・8%と下降基調をたどる。一方、賃料は向こう3年間に現行比で1・9%の微増を見込む。現状では大量供給を前に契約条件を緩める貸し手が多いが、床の供給が増えればそのことが需要の呼び水になると予想。賃料は坪当たり2万2000円前後を行き来すると展望する。同社は8月末に最新の需給予測を公表する予定だ。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2022.08.04

    東急不ら、次世代農業と物流施設を整備

    東急不動産など民間企業5社は、埼玉県白岡市の土地改良事業で、次世代型施設園芸団地を整備するとともに、一部に非農用地を生み出して物流施設を開発する。

    今回の「白岡市篠津北東部地区土地改良事業」では、遊休農地の解消を目指して、農地の整備を通じて営農環境を改善するとともに、地区内の一部に開発行為の許可を受けることができる非農地エリアを設定。約11haの全体区域のうち、約8haは農地、約3haは非農地エリアとして物流施設を開発する。農地エリアでは農産物の生産を手掛ける㈱サラダボウル(山梨県中央市)がAIなど先端技術を導入した農事業を行う。東急不動産も今後、農事業と再生可能エネルギー事業領域との連携や、サラダボウルが実施する農事業への参画などを検討する。非農地エリアには東急不動産が開発する物流施設「(仮称)LOGI’Q 白岡Ⅱ」を建設する。このほど非農地エリアの農地転用と開発許可を取得した。

    (提供/日刊不動産経済通信)